僕の大好きな姉貴

バイト先での先輩の、「姉貴的存在」の女性の話です。

彼女はいろんなものを背負いこんで、彼女の胸は今にもハチ切れそうです。
純粋で不器用で、心の弱い女の子。
彼女は僕に「私の癒しスポット」などと、ちょっとよくわからないことを言って、とても慕ってくれています。
それに応えるわけではないですが、僕も彼女に対し敬い、とても慕っています。
今度の忘年会も、僕が行くから、という理由で参加してくれるようです。
彼女は僕にとっても大切な存在。
彼女は不器用なので、僕が今のバイト先に入った当初、僕に対する扱いはとても良いとは言えない扱いでした。
僕はその当初は「ああ、この人とは一生分かり合えないんだ」と諦めていました。
しかしそれは、僕の誤解で、彼女はとても繊細な心の持ち主。
馬の骨ともわからない存在は、なかなか受け入れられません。
「僕」という存在がどういったものか、安心して話せるとわかったら、だんだん打ち解けて今に至ります。
今日バイト先に行くやいなや、休憩所でパートのおばちゃんから衝撃的事実を聞かされます。


その彼女が、「辞める」と。


僕は最初、何のことを言っているのか、わかりませんでした。
まさに「状況を飲み込めない」といった状態でした。
嵐は突然やってきて、周囲の人間を無情に巻き込んでいきます。
彼女はそのバイト先に必要不可欠な人材。
彼女が欠けることは、夜の戦力がとても手薄になるということ。
急な話で、会社側としても、とてもモメたようでした。

今のバイト先はとてもいい環境です。
それは彼女にとっても、僕にとっても。
みんな、いいひと、協力し合って回っています。
それはやはり、衝突もあるし、どうしても分かり合えない人も多かれ少なかれいることでしょう。
でも、僕も彼女も、自分にとって「居にくい環境」ではありません。

僕は今日、彼女が入る予定だった時間の穴埋めで入ることになりました。
別にそれが迷惑だったということではありません。
夜が手薄になったって、それは構いません。
問題は、バイト先で一番慕っていると言っても過言ではない彼女が「辞める」となり、僕の気持ちは浮き足立って、どこへ行くともわからず、フラフラしていることでした。
今日のバイト中も気が張ってしまって頭の中から離れません。
心に大きな風穴が開き、台風で飛んできたいろんなもんが、結構いっぱい僕の風穴を通過していきます。

気が張ったまま僕はバイトを。
ウチの所属の社員の方がなにやら料理長と話をしています。
どうせ僕には関係のない難しい話。
その社員の方が帰り際に、僕にこう言います。

「復帰やって!!」


!?


僕の体を張らせていた、謎の気体どもが僕のあらゆる毛穴から抜けていきます。
「よかった･･･よかった!!」
うわべだけの、飾りのことばじゃなく、心の底から湧いてきたことばでした。
僕はいまにも泣きそうで、でもこれは喜ばしいことで、泣く場面なんかじゃない、そう思ってこの感情で開いた風穴を埋めておきました。

でも、なにをそこまで僕は感情的になっているのでしょうか。
何がそうさせているのでしょうか。
僕はその「姉貴的存在」に対して恋愛感情を持ち合わせてるわけではありません。
ただ、心から思える「大切なひと」。
理屈じゃない。
僕は最初、彼女を受け入れることはできなかったのに、180°旋回して、とても信頼できる人に。
良い出会いとは思わぬところでやってきます。
まさに一期一会。
こういった大切な出会いは今後とも大事にしていかないといけません。

本当に、今生の出会いに感謝!!


･･･まぁ、それはそうと、

僕はいつ「壮絶な週末」編を書くの？